NIKON

受賞者インタビュー

2024-2025

Lei Yang

中国大陸
写真部門 組み写真カテゴリー
グランプリ

ー ニコンフィルム&フォトコンテストに応募したきっかけは何ですか?

ニコン フィルム&フォトコンテストに応募した理由のひとつは、当時のタイミングが私にとってとても特別だったからです。その頃、日本で写真を学び始めて1年ほどが経ち、自分の作品をあらためて見直し、整理して振り返りたいと思っていました。また、このコンテストには単写真カテゴリーだけでなく、組み写真カテゴリーがあり、そこに強く惹かれました。単一の写真の力だけでなく、写真同士の関係性や、物語が流れるように展開していく表現にも焦点が当てられていると感じたからです。

ー 受賞作品を撮った時のエピソードを教えてください。

2枚の写真にまつわるエピソードをお話ししたいと思います。
1枚目 (5枚構成の作品の3番目の写真) は祖父のポートレートで、父が祖父の髭を剃っている場面を撮影したものです。祖父は90代で、身の回りのことだけでなく、認知や記憶も少しずつ失っていました。私のことをほとんど認識できず、時には思い出せないこともありました。そのため、その別れは私の側だけで起きている、一方的な別れのように感じられました。
もう1枚 (5枚構成の作品の1番目の写真) は、多くの方から質問される写真で、実は中国特有の食べ物であるピータンを写したものです。この写真は日本で撮影しました。昼食の準備中に殻を剥いた瞬間、突然強い郷愁を覚え、多摩川のほとりに持って行って撮影しました。

ー 最近の活動について教えてください。受賞後、ご自身のキャリアなどに変化はありましたか。

最近は卒業制作に取り組んでおり、その中のひとつのプロジェクトとして、今回受賞した写真を含むシリーズをさらに発展させ、より完成度の高い形にしようとしています。同時に、その写真集を手作業で制作しています。最近は台湾のブックフェアに参加し、1月には神保町のブックフェアにも参加する予定です。(注:このインタビューは前年の12月に実施しています。) 受賞後の変化としては、昨年は私にとって低迷期で、卒業後も写真作家として続けるべきか迷っていました。しかし今回の受賞によって自信を得て、この道をより確信を持って進んでいこうと思えるようになりました。また最近はニコンZ 8を使い始め、その高い性能によって安心して撮影に集中できています。

ー あなたにとって「写真を撮る/動画を撮る」とはどういう意味を持っていますか。

私にとって撮影は、組み写真カテゴリーのように、物語を語る行為です。自分を表現する方法であり、書くことでもあります。子どもの頃は作家になりたいと思っていましたが、大人になるにつれてその夢は遠ざかっていきました。日本に来て、「写真作家」という呼び方を知ったとき、子どもの頃の自分に近づいたような気がしました。そして、書くことは言葉だけではなく、写真もまた書く行為なのだと気づきました。私にとって写真は、私自身の執筆です。

ー ニコンフィルム&フォトコンテストに応募を考えている方にメッセージをお願いします。

迷っている方には、ぜひ挑戦してほしいです。結果に関わらず、自分の作品を見つめ直す機会になり、世界とつながるきっかけにもなります。自分自身と、これまでの努力、そして作品を信じてください。きっと何かしらの驚きがあると思います。