NIKON

Nikon Photo Contest 2018-2019
Next Generation 部門 組み写真

銅賞

《角Er》(「角Er」―役者)

謝 欣言(Xin Yan Xie)

中国

ストーリー

誰もが大きな社会の中の主人公である。すべての主人公が人生のさまざまな運命を描き出している。幸運を、あるいは楽しさを、あるいは悲哀を、残酷を……彼らの運命は、舞台の上と下で複雑に絡み合っている。

コメント

私の作品がニコンフォトコンテスト「Next Generation」 部門 組み写真で銅賞を受賞できたこと、大変光栄に思います。この作品は昨年8月に重慶市江津区の清源宮で撮影したもので、この劇団は「龍潭劇社」と言います。民間の劇団の一つで、この川劇(中国四川省の伝統芸能)の劇団員は70歳を超えた人からまだ11歳の子供まで幅広い年齢層の人が所属しています。年2回、彼らはここへ公演に訪れ、一度の公演で約10日にわたり上演しています。この写真を撮った時、私は1週間近くここに滞在し、彼らの宿泊地や舞台に毎日通いました。そしてメイクをしたり、道具を置いたり、服を着替える舞台裏では、彼らの生活は劇を見に来る観客と何ら変わらないのに、化粧をし、舞台衣装を着て大勢の観客の中を通り抜ける時だけ、今と昔が入り交じり、その場に矛盾と融合が生まれることに気づきました。彼らは舞台では昔の人々の愛憎や仇討ち、永遠の別れという人生の場面を演じ、ひとたび舞台裏に下がるとすぐにスマホでWeChatをしたり、モーメンツを投稿したり、午後のマージャンについて話したり…。目の前の光景が、私にはまるでタイムスリップを体験しているように感じました。この作品を通じて、伝統戯曲芸能の川劇の今と、その劇団員たちの日常生活の様子を伝えたいと思います。私にとって撮影は、専攻というだけでなく、私の大学生活そのものであり、芸術の道への第一歩であり、永遠にゴールのない道でもあります。私はこの道をずっと歩み続け、撮影を生涯かけて追求できたらと願っています。

※選出された作品及びコメントは作者の見解や意見を表現するものであり、必ずしも主催者の見解や意見を反映するものではありません。